前節にも紹介しました通り、
市場には借金の完済に必要な分のおカネは存在しません。
そのため、結論から言うと、
「企業」で働く人も「国家」で働く人もそうでない人も、
誰もが元々返すことなどできない借金の返済のために必死に超過労働していることになります。
何故ならば、
「国家」の借金返済は、税収または借金により賄われており、
その税金は納税義務のある「納税者」から徴収されているからです。
それは、直接借金をしていない個人や法人であっても、
消費税、法人税、所得税などを支払う「納税者」である以上、
誰もが間接的債務者だということを表しています。
そして人々が生きるための対価を得られるのは、
常にそれらの支払いが終わった(天引きされた)後になります。
「国家」も、「銀行」から借りたおカネを返済するためには、
新たに借金をしなければならなければなりません。
返済時に「利子」として支払わなければならない「おカネ」はこの世には存在しないからです。
そのため、借金を返すために新たな借金をしなければならず、
借金は何度も繰り返されることになるのです。
これは実質的に、
「納税者」が間接的に延々と借金の支払いを強いられることになることを意味しています。
つまり、「銀行家」が「国家」におカネを貸すということは、
その「納税者」を丸ごと“間接的かつ半永久的に債務者化すること”に他ならないのです。
現在も人々は常に間接的半永久債務者となって、
その支払いの為に働き続けなければならない仕組みの中で生きているのです。
「国の社会保障を充実させるため・・・」、
「国防費の為・・・」、
「景気回復の為・・・」、
というのは、もはや納税や増税を臨んでもらうための表面的な大義名分、
すなわち口実でしかありません。